翡翠の悪魔~クライシス・ゾーン~
ギルドでもらった詳細と照らし合わせながら新しい情報を聞き出した。
読み書きができないリュートの代わりに、羊皮紙を見て照らし合わせているのはティリスだが。
育った環境によっては充分な教育を得られず読み書きができないのは、よくあることだ。
特に戦士系の冒険者にそういう者が多い。
その代わり、リュートは耳で聞いたことを一字一句違(たが)えず覚える。
新しい情報と言えば、昨日初めて──
「死人が出た?」
「はい。昨夜、この南自警団管轄(かんかつ)の南区内で。
……それで今日は、悪魔を是が非でも捕らえようと気が立っていまして」
少々言い訳がましくつけ足された言葉には特に反応せず、話を続けさせる。
「殺された状況を詳しく話せ」
「……奇妙な死に方をしていました」
「奇妙って?」とティリス。
「外傷は全くなく、まるで生気を……いや、魂を吸い取られたような……あんな殺し方、絶対、人にはできません」
──まさしく、悪魔の所業。
読み書きができないリュートの代わりに、羊皮紙を見て照らし合わせているのはティリスだが。
育った環境によっては充分な教育を得られず読み書きができないのは、よくあることだ。
特に戦士系の冒険者にそういう者が多い。
その代わり、リュートは耳で聞いたことを一字一句違(たが)えず覚える。
新しい情報と言えば、昨日初めて──
「死人が出た?」
「はい。昨夜、この南自警団管轄(かんかつ)の南区内で。
……それで今日は、悪魔を是が非でも捕らえようと気が立っていまして」
少々言い訳がましくつけ足された言葉には特に反応せず、話を続けさせる。
「殺された状況を詳しく話せ」
「……奇妙な死に方をしていました」
「奇妙って?」とティリス。
「外傷は全くなく、まるで生気を……いや、魂を吸い取られたような……あんな殺し方、絶対、人にはできません」
──まさしく、悪魔の所業。