ラブリーバニーは空を飛ぶ


なんか、認識すると痛い。

思わずシャーペンを置いて自分でも触ってみる。

濡れた感触がして、やっぱり切れてるんだなと思った。


「リップ塗らないと何回も切れるよ」

「えー…やだ…」

「じゃあ痛いの我慢して」

「それも、やだ…」

「我が儘言わない」


何と言われようとあのべとりとした感触は駄目なのだ。


「舐めたら余計酷くなるらしいから、舐めないでね」


未だに唇をなぞっていた指が離れたかと思えば、血の付いた指を口に含みながらそう言われた。

生返事をしてノートに視線を落としつつ、血ィ不味くないのかな、なんて考えた。


-end-


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