光の世界 -episode zero-
――――――
その頃。
テーブルランプにだけ照らされた部屋の中に、ふたりの人間がいた。
「不思議な光?」
そう言った声は女性のものだった。
その女性の言葉に、もう一人が何も言わずに頷く。
しばらくの間、女性は顎に手を添えて何かを考えるとその瞳をもう一人に向けた。
「わかりました。少し調べてみてください。
上への報告は…もう少し情報がはっきりしてからにします」
「…了解」
そう言うと、その人物は音もなく部屋を後にした。