光の世界 -episode zero-
リスノに怒鳴られた村人は、ばつが悪そうにポツリポツリとその場を後にした。
「んで…」
村人がいなくなって満足したのか、リスノは再びレイが眠るベッドの側へとやってきた。
「どうなんだい、オーヴェ。村にはおいてくれるのかい?」
リスノのその言葉に、オーヴェと呼ばれた人物は何も言わずその豊かな髭をいじり始めた。
「……全く、いきなり人の家に来て何事かと思えば…」
「仕方ないだろ。長老のあんたの許可をとらなきゃいけないっていう決まりがあるんだから」
リスノは腰に両手をあてると、オーヴェに向かってそう言い放った。