光の世界 -episode zero-
リスノは結婚しておらず、子どもがいない。
そのためか、村の子ども達にはまるで母のように接していた。
リアンとクリスも幼い頃からまるで母のようにリスノを慕っており、今では本物の親子のような関係になっている。
「わぁ、綺麗な髪…」
レイのもとに近づいたリアンは、見たことのない髪の色に目を輝かせている。
時折、窓から流れ込む風がサラサラとレイの髪を揺らした。
「おい、リアン!あんまり近付くと…」
そう言って、クリスがリアンの肩に手を伸ばした時だった。
「う…ん…」
レイのその漆黒の瞳が、ゆっくりと開いていった――…