光の世界 -episode zero-
…――洗濯物を干し終えたレイは、そのまま大きく背伸びをした。
なんとなくここは居心地がいい…暖かな太陽の光に目を細めながら、なぜだが胸の奥もじんと暖かくなった。
これまで、こんなにも穏やかな気持ちになった事があっただろうか。
セルガイアに来てから…いや、このクラエスの村へ来てから、レイは今まで生きてきた中で初めてと言っていいくらい充実した生活を送っていた。
「レイ!そろそろ朝ご飯にしようか」
「うん」
リスノの呼び掛けに、家に戻ろうとくるりと向きを変えたレイの背後から、馴染みのある声が聞こえてきた。