光の世界 -episode zero-
――サク、サク…
波打ち際を歩くたびに、歩く人の足跡を波が消していく。
「今日もいい天気だねぇ」
そう言うと、リスノは眩しそうに太陽を見上げた。
夜の浜辺とは違い、太陽の光が降り注ぐ浜辺は真っ白で、思わず目を細めてしまうほどキラキラと輝いている。
その時、ふと何かがリスノの目にとまった。
「行き倒れかい?」
そう言うと、リスノは少し面倒臭そうに眉を寄せる。
しかし口ではそう言いつつも、リスノは足早に近づいていった。