光の世界 -episode zero-
第三章 迫りくる闇
予兆
――――――
『ごめんなさい』――。なぜそう言ってしまったのか。
あの日以来、レイはずっと後悔していた。
リスノに……話さなかったこと。
リスノの優しさに、なぜ素直に甘えることができなかったのか。
自分を――、家族のようだと言ってくれたのに。
「話せば、よかった」
ポツリと呟いたレイの声は、誰に届くこともなく消えていった。