あたしと眼鏡
「不服か?」


「そりゃあるよ…罰だとか記憶力がどうとかって…わかんないこと言うし」


「わからないのはこっちのほうだ」


「…っ」


肩をつかまれ眉間にしわをよせながら睨んでる。


あたしなんか悪いことでもしたの!?


殺気さえ感じられる視線に喉を鳴らした。


「…しただろ」


「した?」


何を?
頭の中がグルグル回ってちんぷんかんぷん、さっぱりわからない。


「何やってるの二人共」


「先生っあの…」


司先生がグッドタイミングで医務室に戻ってきた。
助かったよ~とばかりにほっと一安心。


「担任の先生に様子を見に行くよう頼まれまして」


「っ!!」


嘘つくな~ι
なんだよその爽やかスマイルはぁ~!!


「そう?真琴ちゃん大丈夫?」


「…はい、なんとか」


あたしの側に来て顔を覗き込む。
ここで本当のこと言ったら後が怖いし…笑って頷くしかなかった。


「それじゃ具合悪かったらまた来なさい」


「ありがとうございました」


「失礼しました」


何事もなかったように医務室を出て教室へと向かった。
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