あたしと眼鏡
でもなんだろう…この感じ、前にどこかで…


「なにしてる、帰るぞ」


「あ…うん、それが…足を挫いちゃって…ははι」


立ち上がろうとしても上手く起き上がれなくて苦笑い。


「はぁ…」


思いっきり深い溜め息をついて呆れられた。当然と言えば当然だよね…お荷物だしι
背中を向けたまま膝をつく。


「ほら、乗れよ」


「おんぶ?」


「置いてってもいいが犬と一緒に…」


「お願いしますっ!!」


犬の一言に飛び乗るようにしがみついた。


細めな割りにガッシリしてるんだなと思いながら…


「まだ治ってなかったのか」


「あたしが犬嫌いなの知ってるの?」


「あれだけ怯えて派手に転げ落ちてる姿見たら誰だってそう思うだろ」


「…だって怖いんだもん…」


しがみつく手に力を込めて俯いた。


『こうするとどうなる』なんてわからないくらい小さな頃、犬を触ってみたくて手を伸ばしたら思いきりかじられて、血を流して病院に連れていかれてからというもの犬がトラウマになっていた。


それから犬を見ると怖くて遠ざけるようにしてきたんだよね…
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