あたしと眼鏡
渋々着替えて居間に急ぐと母さんが楽しげに笑いながら話してる。


「真琴~お隣さんに挨拶しろ~い」


「お隣さん?」


酔っぱらってる父さんの横で酒を一気に飲み干す豪快(!?)な男の人と目が合った。


「初めまして、橘真琴です」


「こんにちは私は相澤幹弘(あいざわみきひろ)と申します、今日から隣に越してきてきたのでこれからよろしくね」


意外に紳士的で優しそうな人。
軽く会釈をして母さんの側へ駆け寄った。


「こんにちは、私は相澤幹弘の妻美幸(みゆき)です。よろしくね真琴ちゃん」


「よろしくお願いします」


「引っ越したばかりでわからないこともあると思うから、協力してあげてね真琴」


「うん」


母さんと似てる物腰の人だなぁと思いながら挨拶すると、優しく微笑み見つめられた。


「優弥も真琴ちゃんと同じ一年生なの、もう会った?」


「優弥?相澤…お隣りさん!?」


あたしの隣に引っ越してきたのって…転校生!?
今更気づくのも遅いってやつ?


「あたしと同じクラスで今日学校案内しました」


ついさっきのこともあるしで表情は曇りがちになりながら話した。
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