容姿端麗6人組
「拓海くんは、林さんに幸せになってほしいんじゃないの?だけど、それを智樹に言ってもどうにもならない。」
「つ、かさ…ちゃん?」
いきなり目の前に座った私に、凄く驚いてた。
「拓海くんが、林さんに幸せになってほしいって気持ちはわかる。好きな人の幸せを願うのは、当然だもん。」
「だったら、俺の言ってた事。合ってるでしょ?」
「ううん、間違ってる…。」
「何でっ!?」
「だって…、林さんはそれで幸せになれないから。」
「……。」
私の言葉を聞いて、黙り込んでしまった拓海くん。
拓海くんは何も分かってない。
好きな人が幸せになること。
誰もがそう願ってる。
「林さんは、智樹に無理矢理付き合ってもらう事なんて望んでないんじゃない?」
「でも、愛菜はっ。智樹と付き合えれば、幸せなのにって…。そう言ってた。それが間違ってるって言うの?」
「うん…、間違ってる。」
「どうして!!」
「好き合っていない二人が、幸せになれるわけないでしょ?悲しんで、苦しんで…。最後に傷つくのは、林さんなんだから。」
拓海くんは目を丸くして、私を見た。
そして、静かに泣き始めた。