容姿端麗6人組
『男女混合リレーに出場する選手の皆さんは、入場門に集まってください。』
アナウンスが流れた。
俺は、男女混合リレーに出場する。
だから、門のところに集まらなくちゃいけない。
「片桐。そろそろ、行くな?アナウンス流れたし…」
座っていた椅子から立ち上がろうとした、その時…
「私も行くよっ♪」
「え、でも具合悪いんじゃ…」
「大丈夫、大丈夫♪応援したいしっ!」
片桐はニコッと笑って、ベッドを降りた。
保健室を出て、俺は入場門に向かい、片桐は応援席に行った。
入場門に向かって歩いていると、いきなり背中を叩かれた。
誰かと思って振り返ると、後ろにいたのは怜だった。
「怜。」
「智、優ちゃん大丈夫だった?」
「ああ、片桐の事か…。元気そうだったよ。」
「そっか、良かった♪じゃ、それだけ~」
人の気も知らないで…
本当に呑気っていうか、何ていうか。
怜は、入場門へ走っていった。
怜の後ろ姿を眺めながら、ふと思い出した。
片桐の言葉を…
――告白、しないの?
俺には、告白する勇気なんか無いんだ。
臆病者だから。
今まで、彼女を作ったことなんて一度もない。
告白されたって、全部断ってた。
俺には怜しかいないから。
でも、怜に彼氏ができたと知ったとき。
苦しくて…
いつまでもウジウジしてる自分に苛立って…
女遊びを始めた。