容姿端麗6人組
「智、今日は先帰ってて?」
「……ああ。俊に会いに行くんだろ?」
分かりきった事を聞いて、何してんだろ。
その返事を聞いた時、ただ傷つくだけなのに……
「うん。」
「……そっか。早めに帰ってこいよ?おばさんが心配する。」
「分かってまーす。」
やっぱり、俊かよ。
絶対勝てないな……
俊の存在は、怜の中で大きい。
いつまでも引きずってる訳にもいかないし。
諦める……
俺には、それしか選択肢がない。
だけど、諦められるのか?
初めてあった小学生の頃からだぞ?
長かった……
想ってた期間が長いほど、諦めるのに時間がかかる。
そう、改めて感じた。
怜と別れて、教室に行くと。
「智樹くん、おはよっ♪」
「ああ、おはよっ。」
片桐が、笑顔を向けて手を振ってくる。
「どうしたの?何か元気ないね。」
片桐は俺の顔を覗き込んで、悲しそうな目をした。
「ちょっとな。」
「怜ちゃん?」
「え……」
見透かされてる。
体育祭の時もそうだった。
怜への気持ちを、片桐は分かっていた。