容姿端麗6人組
「私は媚びなんかうってないのに……。
話しかけるのは、いつも男の方からで。
私から話した事なんて、一度もなかった。
だけど周りからは、そう思われてたみたい。」
涙が止まんない。
「それから私は一人になった。
誰も寄ってこなくなったし、友達は一気に消えた。
毎日上履きがなくなったり、机の落書き、トイレで水をかけられる事も……。
その子の命令で4、5人の男に、囲まれて襲われた事もあった。
だから、それ以来。
私は人を信じられなくなった。
今でも、恐くなる。
いつ裏切られるかって、毎日ビクビクしてる。
男を見るだけで、あの日の事を思い出す……。
入学した当時。
蓮たちと話したことが珍しいって言ったのは、こういう事があったから。
曲がったこととか、卑怯な真似とか。
そういうヤツらは嫌い。
強がって、毒吐いたり、喧嘩したりするのは、過去の自分を私の記憶から消したいから。」
――フワッ…
そっと蓮が抱き締めてくれた。
抱き締められて、今まで震えてた体が落ち着いてきた。
人の温もりを感じて、心地良かった。