バックネット裏の恋
はじまり
朝だった。
目を開けると窓から眩しいくらいの日の光が射していた。
「また同じ夢・・・」
私は体を起こししばらくベッドの上で昨日見た夢を思い出していた。
確かに前に見た夢と同じ夢だった。登場人物も同じ、いつものあの場所。心臓の鼓動が微かに速かった。
「秋恵、起きたぁ~?!」
階段の下から母親の大きな声が聞こえてきた。
「起きてるぅ!」
そう言って慌ててベッドから出た私は机の上に飾ってある高校時代の写真をじっと見つめていた。いつ見ても、“あの頃に戻りたい”と思う写真。
高校を卒業して二年、まだ学生気分が抜けない私は社会人も二年目。空港の免税店で得意の英語を活かして働いている。志望動機は簡単、毎日たくさんの人が行き交う空港で身近に世界を感じてみたかったからだ。
しかし、理想と現実の差は大きく、入社後ちょっとしたいじめに合い人事異動があった。そのいじめの理由というのも女性先輩社員が付き合っているチケットカウンター受付の同期、小池孝太郎と私がたまたま休憩時間が重なりランチをいっしょにした現場を目撃されてしまったことだった。
目を開けると窓から眩しいくらいの日の光が射していた。
「また同じ夢・・・」
私は体を起こししばらくベッドの上で昨日見た夢を思い出していた。
確かに前に見た夢と同じ夢だった。登場人物も同じ、いつものあの場所。心臓の鼓動が微かに速かった。
「秋恵、起きたぁ~?!」
階段の下から母親の大きな声が聞こえてきた。
「起きてるぅ!」
そう言って慌ててベッドから出た私は机の上に飾ってある高校時代の写真をじっと見つめていた。いつ見ても、“あの頃に戻りたい”と思う写真。
高校を卒業して二年、まだ学生気分が抜けない私は社会人も二年目。空港の免税店で得意の英語を活かして働いている。志望動機は簡単、毎日たくさんの人が行き交う空港で身近に世界を感じてみたかったからだ。
しかし、理想と現実の差は大きく、入社後ちょっとしたいじめに合い人事異動があった。そのいじめの理由というのも女性先輩社員が付き合っているチケットカウンター受付の同期、小池孝太郎と私がたまたま休憩時間が重なりランチをいっしょにした現場を目撃されてしまったことだった。