バックネット裏の恋
その日は夜の十時を回ったところでお開きとなり、私と由貴、冬美と恵美ちゃん組で帰ることになった。
「秋恵さぁ」
「ん?」
「鼓太郎とまだ連絡取ってるの?」
「えっ、まさか」
「卒業してから取ってないの?」
「取ってないよ、なんで?」
「恵美ちゃん、もしかしたら連絡取りたいんじゃないかと思って」
「恵美ちゃん、まだ・・・好きなのかな」
「それは知らないけど、あの頃は純粋に本気だったでしょ」
「そうだよね・・・皆知ってたもんね」
「でも、アンタも本気だったでしょ」
「・・・・・」
「何で素直にならなかったの?恵美ちゃんに気兼ねして?」
「・・・もともと何も無かったし」
「そっ?あたしはてっきりアンタと鼓太郎が結ばれると思ってたのに」
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