バックネット裏の恋
部活動が始まるとそんな恋愛話もすっかり頭から離れてしまった。
私はソフトボール部所属、二年生の後半には主将を任せられていた。
顧問は鼓太郎、そのせいかちょうど同じ時期から恵美ちゃんともよく話すようになっていた。恵美ちゃんにすれば、きっと鼓太郎と接する機会が多い私からいろいろと情報をもらいたかったのだと思う。
そんな恵美ちゃんの気持ちを知りつつも、そこには百パーセント協力できずにいる私がいた。それは決して意地悪や嫌がらせといったものではない、ただどこか恵美ちゃんに嫉妬している部分があったのかもしれない。
そう、あの頃から私も鼓太郎のことが気になり始めていた。
恋し始めていたのだ。
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