悪女と良男
『おい、亜美』
その日の放課後。
あたしは美野里と美野里の友達の2人とカラオケにいた。
もちろん、4人の男もいる。
突然腕を引っ張られ、廊下に出される。
「何よ?巧(タクミ)」
『何よ?じゃねぇーって』
巧は呆れた顔をする。
コイツはあたしの幼なじみ。
家は隣。
ベランダから相手の部屋に遊びに行くような関係。
『お前さ、突然連絡してきたと思ったら
男紹介しろ、ってなんだよ。
しかも今日っていきなりすぎるだろ。』
巧はあたしに詰め寄ってくる。
でもこんなことじゃあたしは動じない。
「ま、いいじゃん?
とりあえず集められたんだし。
さすが巧くん。
男子校に通ってくれてありがとう!」
あたしは巧の肩に手を置きあはは、と笑った。