悪女と良男
「たーくみっ!」
その日…いや、次の日?
とりあえず夜中の12時。
あたしはベランダをつたって隣の家に侵入。
巧の部屋の窓を叩く。
『…んだよ?』
カーテンを開けた巧はあたしを見るなり不機嫌さ丸出しの顔をする。
「とりあえず入れてよ」
巧は渋々窓を開け、あたしはそこから巧の部屋へ入った。
男のくせに巧の部屋はめちゃくちゃキレイ。
ついでにあたしの部屋も掃除して、って感じ。
「賭け、勝ったんだけど?」
あたしはそう言ってニヤッと笑う。
そして手を差し出した。