悪女と良男
「なんで?!
なんで良男がこんなとこにいんの?!」
そうあたしが叫んだ直後、チャイムが鳴る。
『あの、亜美さん。
僕の名前…義、なんですけど…』
って!
もう分かったから、それ!
と心の中で叫んで良男をスルー。
そのままベットへ直行。
もうやめよう。
良男にかまうのは。
またこの間みたいにつきまとわれるのはだけは勘弁だからね。
カーテンをピシャッと閉めて布団を被る。
『……亜美さん。
本当に体調が悪いんですか?』
カーテン越しに良男の声が聞こえてくる。
「悪いわよ。
あー痛い。
お腹が痛いわ~」
なんてわざとらしく言ってみる。
すると返ってきたのはこんな言葉だった。
『痛いのはお腹じゃなく
心…じゃないですか?』