悪女と良男





あたしが首を傾げているとめんどくさそうに良男が言う。


『俺、ヤなんだよね、そういう女に付きまとわれるのとか。

めんどくせーじゃん?』


なるほどね。

だから性格変えてるんだ?


誰にでも優しくて、

誰にでも敬語使っちゃうちょっとヘンなヤツを装ってるワケね。



「じゃあなんであたしには素見せたの?」


『だって亜美は俺がどんな性格だろうと惚れたりしないだろ?』


「…まあね」


『さて…と』


良男はそう言ってベッドの上に座った。


急に距離が縮まってなぜかドキドキした。


…どうしたのよ、あたし。

相手は良男だってば。



なんて心の中で呟いた。







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