悪女と良男
そのまま良男は後ろ手でカーテンを閉めた。
「あ、あのさ」
良男が保健室を出て行く様子はなくあたしは少し大きめの声を出す。
「幼なじみがよく分かんないこと言ってくるんだよね。
良男だから言うんだけど、あたし、結構いろんな男と遊んでるんだ。
そのことは幼なじみも知ってるんだけど、なぜかデート中に幼なじみに会ったら
言われたんだ。
やっぱサイテーだな、お前。
って。
それもとびっきり哀しそうな顔して。
そしたらもう幼なじみのことばっか気になっちゃってさ。
ヘンだよね~あたし。
巧のこと、なんとも思ってないのに。」
あたしが話終わるまで良男は何も言わなかった。
それどころか物音1つしない。
もしかして…良男、保健室にいない、とか?
慌ててベットから降りてカーテンを開けた。
すると良男は窓のサッシに座って外を眺めていた。