悪女と良男
『お前、バカ?
学校1いい人の義と
学校1の美少女の亜美ちゃん。
その2人が廊下を歩いてみろ。
1日も経たないうちに学校中に広まるぞ?
だからお前が隠しても亜美ちゃんがお前と知り合いなのは俺が知ってて当たり前だし、
このクラスのヤツだって全員知ってるよ。
だから、俺はかまかけただけ。
亜美ちゃんの名前出したらお前が反応してくれるんじゃないかなーって。
そしたら予想通り、義、反応してくれるからさ。
俺、今ちょっといい気分』
ヒロはそう言って笑う。
ふざけんな。
笑い事じゃねぇーっつーの。
『で、なんなの?
俺が亜美と知り合いだから
前々から亜美を狙ってるお前に亜美を紹介して欲しいってワケ?
だとしたら、それは諦めろ。
亜美をお前には死んでも紹介しねぇ』
『さすが義くん。
俺の考えてること、よく分かってんじゃん。
で、どうしてかな?
紹介してくれるくらいいいじゃん。
それとも…義、亜美ちゃんのこと狙ってんの?』
挑発しているようなヒロの目がどうしてもムカついて。
胸をはって答えてやった。
『ああ、そうだよ。
俺は亜美のこと狙ってる』