悪女と良男
『あ…足』
突然、良男がかがみ込んだ。
自分の足を見ると膝から血が出ていて。
膝擦りむくとかあたしは小学生かっ!
なんて心の中で自分にツッコんでみた。
『すみません。
この傷…残っちゃったりとかしたら…』
良男があたしの顔を直視。
って見つめんな!
なんか分かんないけどドキドキしちゃったじゃん!
慌てて深呼吸。
「ほっといてくれる?
ってかあたし、急いでるって言ったよね?!」
『あ、そうでした』
良男はやっとあたしに道をあけてくれた。
ってか良男ってあたしよりセンパイだよね?
なのになんで敬語?
そんなことを考えながら職員室まで猛ダッシュしたあたしだった。