悪女と良男





『随分と遅いなぁ、斉藤』


目の前には今にも角が生えてきそうな担任。



「いやぁ…まあ…いろいろありまして…」


ヘラヘラしてとりあえず謝る。

ヘンに口答えして面倒なことになるのだけは避けたいからね。



『じゃあこれ、課題。

明日までに提出』


目の前に差し出された両面プリント5枚。

え?

え?

なんで…課題?


しかもなんで明日まで?



『まさか…覚えてないワケじゃないだろ?

俺の授業で堂々と寝て、起こしてやったのにまた寝て。


結局、お前のせいで授業が10分も潰れたこと。』



「あ~ぁ…」


そうだった。

昨日、夜更かしして今日担任の授業で爆睡して。


起こされてなんか言われたんだけど、寝ぼけてて。


あー…サイアクだぁー!!



良男のバカヤローー!!
(良男にはなんの罪もない)







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