生徒会長の悩み事



(あれは…?)



「神崎先輩、待って下さい」



保健室を出ていこうとする神崎先輩を呼び止め右手をつかむ


「痛っ!!!」




顔を歪める神崎先輩


…やっぱり



「腕、診せて下さい」



「いい…何でもない」



何でもないはずがない
先ほど手をつかんだとき神崎先輩の表情がこわばった


絶対、隠し事をしている



「何でもないから、放してくれ!」



私の手を振り払おうとする神崎先輩



…やむを得ませんね

「神崎先輩

失礼しますっ!!」



ガッ!!


「なっ!?」


どんっ!


神崎先輩に足を掛け、無理矢理後ろの椅子に座らせる



そしてすかさず右の長袖を捲る



「おいっ!雨宮っ!!」



「………。」



右の袖を捲ると、手首が赤紫色に腫れあがっていた



たぶん、骨にひびが入っている


聞き手が右の神崎先輩が、わざわざ左手でベットから起き上がったり
ドアを開けようとしていたところを見れば大体の予想はつく


相当、痛そうだ…








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