生徒会長の悩み事
~神崎亮也side~



帽子屋の服に着替えた俺は雨宮に言われたとおり
ステージ裏へ向かった



―――――…      




「亮也っ!!」


俺がステージ裏に着くと伊織が俺のそばに駆け寄ってきた



「大変なんです!

亮也が使うことになっていたギターが見当たらなくて…」



「何だって!?」


まずいな…

ただでさえ俺のせいで、みんなに迷惑がかかっているのに


顎に手を置き、考え込む



「ん…?

亮也、その包帯はどうしたんです?」



あぁ、そうだ

この事もしっかりみんなに伝えなきゃならない



「みんな聞いてくれ…

さっきは何もと言っていたが
実は…右手首を痛めてしまったんだ」




「そんな…」


「ギターがないうえに、神崎先輩が手首を痛めてしまうなんて」


「万事休す、ってやつか…」


それぞれに悲痛の声をあげる


ステージは中止かとそこにいる誰もが思った

















「皆さん、誰か一人忘れていませんか?」







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