生徒会長の悩み事




「失礼します…」



控えめな声で女子生徒が保健室に入ってきた


何でこんな時に人が来るんだよ!?

誰だ、いったい…?





「あぁ…

さっきの…」



ん?
副会長の知り合いか…?



「あ、はい!

図書委員で2年の大橋です

神崎先輩…先ほどは本当にありがとうございました

あの、怪我の方は…?」




あぁ、さっきの図書委員か…


わざわざ様子を見に来たのか

案外律儀だな





「別に大したことじゃない

そんな改まらなくても大丈夫だから
気にするな」




おーおー

クールだな


嘘でもいいから、笑顔の一つでも見せてやればいいのに(笑)



「で、でも…私のせいで…」



「誰もの君のせいなんて思わない
むしろ、助けきれなかった俺に問題があるくらいだ



…そんな事より

俺をここに運んでくれたのは誰か、教えてもらえるか?」




!?


げっ…

コイツ…嫌なとこ突くな
この際、誰でもいいだろ…



「あ!
それは東條君です

私…彼にもお礼を言いに来たのですが…
もうココにいないですよね」



「東條、直人…が?」




はぁ…

あの図書委員、んなこと一々言うなよ

しかも、こころなしか声が嬉しそう…



「はい!

それに、
わざわざ東條君…

“お姫様だっこ”で神崎先輩を運んでいってくれたんです///」


顔を赤くしてキャーキャー言う図書委員





ピキーーーーーン

「・・・・・…。(神崎)」
固まる副会長



「・・・・・…。(東條)」


よりによって…
一番、言われたくない一言を言いやがった…


おぇ…

思い出しただけで吐き気が…







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