生徒会長の悩み事





「・・・・・」



返事がないからいないかと思ってた


だけどあいつは普通にいた


いや…普通、ではないが


兎に角、雨宮はいたんだ…





椅子の背もたれに寄りかかり


寝息をたてながら…





何て言うか…


その光景のあまりの綺麗さに
俺は魅入ってしまったのだ




オレンジ色の夕日を背に気持ちよさそうに眠る雨宮





俺はそんな雨宮に近付いた



雨宮の座っている椅子は生徒会長専用の物で

他の椅子よりも少し豪華だ


そのためか寝心地は良いのだろう



俺は机に手を置き雨宮に顔を寄せた



スースーと寝息が聞き取れる



今の雨宮には“無防備”って言葉が一番似合ってる気がする

いつもの機敏さはどこにいったのか

まるで危機感なしだ



「疲れたのか…?」




ふっと、先程視聴覚室で見た映像を思い出す




予想外のアクシデントに苦手な(派手に目立つ)こと…



疲れる要素は盛りだくさんってわけか




初めは雨宮をからかうつもりで此処に来たのだが


こんなにも安心して眠る姿を見たら、何だか毒牙を抜かれた気分だ







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