生徒会長の悩み事


いつもの騒がしさに優月がうんざりしていると


東條直人が笑顔で女子生徒に言葉をかけていた



「みんなおはよう。毎日挨拶してくれてありがとう」


「「「「キャ~~///」」」」


出ました…。

通称“王子様スマイル”

これでほとんどの女子が赤面するか
倒れると言われるほど… (まあ、ある意味体に毒ですよね)


でも私はこの笑顔が大っ嫌い…
すごく嘘っぽくて心の中で何を考えているのか分からない

皆は何を見てあの笑顔を『良い』と思えるのだろう
私には到底理解できないし、したいとも思わない

自ら壁をつくって、他人と距離を置いている人間に近づこうとすること自体が間違っているのに…


周りはそんなことには気が付かない



「東條くん!今日のお昼は私と一緒に…」

「あのっ!クッキーとか食べますか?」

「放課後お暇ですか///?」

「ちょっと抜け駆けは禁止でしょっ!?」



……イラッ…

心のどこかで苛立ちが募った


…もうだめかもしれない

今日という今日は耐えられる自信がない

我慢の限界というやつだろうか


ガタッ!


私は立ち上がり目線だけを隣に向けた


「騒がしいですね…。少し静かにしていただけますか?それが出来ないのなら…この場から消えてください。」


マイナス3オクターブくらいで冷たく言い放つ



………しんっ………


教室が静寂に包まれた





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