生徒会長の悩み事



カサ…カサ…




草を踏む音が裏庭に静かに響く



少し目を凝らして木の根本に座っている人物を見ようとする



あれは 、東條直人…?

何でこんなところに彼が?


しかもどうやら東條は寝ているようで、こちらが近づいてきたのにも関わらず一向に目を開ける気配がない

足の歩みを止めてしゃがみこめば、スースーと気持ち良さそうな吐息が聞こえた


……………。

思わず無言で凝視してしまう
普段、生け簀かないイメージで通っているぶん、こういった表情はとても幼く、あどけなさを感じさせた


そこでふと、東條の服装がいつもと違うことに気がついた
彼はいつも生徒のお手本のように王子様らしいイメージできっちりと制服も着ていた

しかし、今の状態は…

シャツのボタンを第二ボタンまで開けていて
ネクタイもゆるめている
その上、ジャケットのボタンもしていないし…


東條のあまりの変わりようにイメチェンでもしたのだろうか?というくだらない考えが頭をよぎる



……………。


人の寝顔を眺める趣味はないのだけれど






「……。黙って寝ていれば
かっこいいのですがね……」






ぱち


ぐいっ


「えっ?」




どさっ……。



え?え?え~!?









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