生徒会長の悩み事
~東條side~
俺は顔を真っ赤にしながら
走り去る雨宮優月をしばらくのあいだ見つめていた
正直、昼寝してて目を覚ましたら雨宮がいて
すげーびっくりした
何を思ったか俺はアイツを押し倒しちまうし…
この姿を誰かに見せるつもりはなかったんだけど
まさかあの
クソ真面目な生徒会長の雨宮に見られるなんてな(笑)
予想外というか、何というか…
ん?いや…
逆に雨宮は“本当の俺”を見抜いていたよな
アイツは他の女と違って俺に媚びを売ったりしない
それどころか面と向かって
俺に消えろだの嘘臭い笑顔だの言ってきやがる
ホントに、あんな女初めてだ…
だから
何となくだけど、本当のことを話してしまった
別に雨宮になら俺のことを
話しても良い気がした
そしたら、いつもの威勢のよさはどこにいったのか
急にしゅんとなり謝ってきた
そのうえ、半分涙目で人を見上げてくるものだから…
不覚にも一瞬ドキッとしてしまった
そのせいで調子が狂い
誤魔化すように雨宮に意地悪をしてしまった
「何やってんだよ…俺…?」