生徒会長の悩み事
せっかく綺麗なピアノだったのに
東條の物言いがいちいち癇に障る
「完全無欠って…
完璧な人間なんてこの世に存在しませんよ
それよりも、楽譜を返していただけ「音符の上に付いてるのって歌詞だよな?」
…イラッ
またこの人は…
人の言葉に自分の声を被せて…
話は最後まで聞いてほしいものです
「はい。そうです」
どうせまた“ふーん”で終わるのでしょう
「ふーん…じゃあ…」
ほら、やっぱり
ん?“じゃあ”?
「俺、ピアノ弾くから
雨宮が歌って」
「はいっ!?」
えっ?
歌う?私が?
「あ、OKね。
じゃあ、始めるよ」
「ちょっと!そういう意味の返事じゃ…」
何て言っている間にピアノを弾き始める東條
♪~~♪~♪~~
「もしかして、雨宮って音痴?」
ピアノを弾きながら馬鹿にしたようにこちらを見てくる
「なっ!!
違いますっ!!
人並みですから、けして音痴ではありません!」
「そう…じゃあ歌えるな」
~~!!はめられました!
しっ…しかし、ここまで来て逃げる訳には…
仕方がない
少々、腑に落ちないですが…
歌いましょう
すうっ…
私は息を吸った