生徒会長の悩み事
動揺する俺にまったく気付かず(寧ろ気付かない方が良いのだが…)
話し続ける雨宮
「ピアノは人の心を映すんです
何よりも正直に正確に
その人の本当の心を映す
鏡の様なものだと…
私の父が言っていました
私自身、そういったことはあまり信じないのですが
東條のピアノを聞いたら、何だか分かる気がします
でなきゃ…
あんなに綺麗な音、出るはずがないですから」
映す?
心を?
…俺、の
本当の心…?
「東條…
貴方は、本当は…」
とんっ…
「えっ…?」
気付いたら俺は、話を遮るかのように…
壁との間に雨宮を挟むよう形で、覆い被さり
雨宮の顔の横に手をついていた
「あの…東條…?」
「………」
何でこんな事したのか自分でも分からない
ただ…
雨宮が何かを言おうとして…
そしたら、体が勝手に動いた
どっちにしても
考えてとった行動じゃないから
この後、どうしたらいいのか分からない
さて…
どうしたものか…?