生徒会長の悩み事



「……以上で私の祝辞とさせていただきます


それでは皆さん、
今日は思う存分楽しんで下さい」



「礼」

パチパチパチ…



ーーーーーー…。



「優月くん、お疲れ様

やはり君が司会だと周りの生徒の気が引き締まっていいね」


開会式が終わり舞台裏に戻ると、理事長が私に話しかけてきた



「…恐縮です

理事長こそ祝辞の挨拶、とてもご立派でしたよ」



「ははは…

祝辞なんて毎年同じこと言ってるだけだだし
挨拶とは名ばかりで、実際たいしたことないよ」


大袈裟だな~と笑う理事長


「確かに、始めと終わりの文は毎年同じですが…

中間に入れる生徒達への言葉は、
その年によって違いますよね?


普段の生徒達の生活状況から
それにあった言葉を適切に言っています

理事長のそう言うところ、私はとても尊敬しています」



「!!

…君は本当に何でもお見通しだね

去年の内容、覚えてるのかい?

だいたいの人は聞いてないよ?」



少し驚いたように理事長は尋ねてくる


…私としては会長になった時点で
過去5年間分の学校資料に目を通しおいた

だから、こういった行事関係の事は
しかっり覚えておくようにしている



「これでも、生徒会長ですから」



私はふっと微笑んだ





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