‐奏‐ kanade

「この曲は、奏鈴の為に作ったんだ」

俺は奏鈴の喜ぶ顔が好きだから。
奏鈴の残された時間を少しでも、
幸せなものにしてあげたいから。
だから奏鈴の望みは叶えてあげている。

これは俺が苦しい。
ひとつ望みを叶えると、
どんどん奏鈴が遠く
離れていってしまうような
気がするから。


だけど俺の苦しみより
奏鈴の苦しみのほうが
きっとずうっと大きいんだ。

絶対。


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