‐奏‐ kanade
「それにしても奏音くん、
背伸びたわねぇ!何センチ?」
「多分175センチくらいですかね…」
なんて他愛ない話をして。
リビングに入ると
新聞を食い入るように
読んでいる奏鈴の父さん、
啓司さんがいた。
「おぉ奏音!久しぶりだなぁ!
背ぇ伸びたんじゃねえの?
いいねえ中学生」
「もう175センチですってよ~。
あなたもうすぐ
抜かされるんじゃないの?
あ、奏音くん、好きな所に座って」
「ありがとうございます。
お久しぶりです啓司さん、
元気そうでなによりです」
『お構い無く』
と言った俺に
祐未さんが『遠慮しないで』
と言ってだしてくれた
ミルクティーを一口すすって、
話を本題に移す。