‐奏‐ kanade
奏鈴は、それでも
ただ雪を見つめるだけ。
瞬きをした彼女の目からは
涙が伝った。
「わかってる…
わかってるよ…
冷たいし、寒い
だから嫌う人だっている」
奏鈴は泣きじゃくって
その場に座り込んだ。
「ねえ奏音…!!
あたし…あたし…っ
何で病気なんかに
なっちゃったのかな…??
あたし…最近よく思うの。
病気じゃなかったら、
学校にだって普通に行って
奏音と一緒に色んな音楽に触れて
歌って
弾いて
…奏でてたい」