‐奏‐ kanade
それでお父さんもお母さんも
奏音もみんなみんな泣いてたの。
あたしだってみんなに伝えたいこと
やりたいこといっぱいあった。
それが出来ないで死んじゃうなんて
って思ったら自分に素直に生きることが
どんなに大切かわかったの。
我儘とかそんなんじゃなくてね。」
うん、と俺が頷く。
「あたし多分、時間がないと思う。
けど、最期まで諦めないんだ。
生きたい理由が出来たの。
あたしがあたしらしくいれるのは
歌ってる時なんだって思う。
だから、あたしはたくさんの人に
あたしらしく生きているって伝えたい。
…あと」