‐奏‐ kanade

「あたしは、奏音が
生きているだけで幸せなの」


「…え」


思いもよらない答えだ。


「あたしはね。
小さい頃から奏音の歌声が
ほんとに大好きだったんだ…」


優しく微笑みながら
ゆっくり語りだす奏鈴は
やけに大人びて見えて。


「覚えてないかな、奏音は」


…??


奏鈴と視線がぶつかった。


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