‐奏‐ kanade
―――――
―――



それは、9年前の夏。

奏鈴と奏音は二人で
近くの公園で遊んでいた。


周りの幼い子どもたちは
虫採りや公園の遊具に夢中で…


奏音もその中のひとりだった。


奏鈴は体が弱く、
人見知りということもあり、
ひとり木陰のベンチに座って
小声で幼稚園で覚えた歌を歌っていた。




あたしも、奏音みたいに
遊びたいなあ




幼い奏鈴は、自由に遊べて
キラキラ輝く笑顔の
奏音を羨ましく思っていた。




< 87 / 91 >

この作品をシェア

pagetop