なきむし ころちゃん
アタシが
あんまりにも勢いよく
ヒロキに飛びついたもんだから、
ヒロキはバランスを崩してしまった。


エンマミはパッと
ヒロキから離れたけど、
アタシはヒロキにしがみついたまま
一緒に倒れこんでしまった。


衝撃―…のはずなのに
カラダがちっとも痛くない。

ゆっくり目を開けると
ヒロキの顔


一瞬のことなのに
ヒロキはアタシをダッコして
守ってくれたんだ…



「ミオ、
 ちょっと軽くなったんじゃない?」



ヒロキはアタシの顔をのぞき込んで
そんなことを言いやがった。

エンマミが吹き出す。
テスト勉強中
つまみ食いばっかりして
顔がパンパンになってく
アタシを毎日観察してたからだ。


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