恋オモイ



「なんで居ないのよ」


自分が勝手に来ときながらなんで怒ってんだよ。って思った。

ただいつもみたいにフェンスに寄りかかって空でも見てんのかなぁ、なんて考えてたらがっかりするじゃん?



実は私、彼の名前を知らなかったりする。


知ってるのは茶髪で、私より1つ年下の二年生だってこと。

でも知らないのも仕方ない。彼は聞いても名前を教えてくれないから。



「…ばーか。早く来いよ」


「ばーか。最初から居るんですけど」


声がして、慌てて振り向く。


後ろには黒渕の眼鏡をかけた彼が立っていた。




「……趣味悪い」


「はぁ?」







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