赤髪探偵 ① +~+春の夜桜事件+~+
彼女は、一通りあたりを見回して桜に近寄って行った。
そして・・・気の幹に片手を置いて深刻そうな顔をしながら呟いた。
「・・・やっぱり・・・・・・」
その言葉に、俺は一生懸命聞き耳を立てた。
この、桜の事が何か・・・些細な事でもいい、分かったなら。
―――教えてほしい。
その瞬間、彼女は俺の方を見た。
気づかれたっ!?
そして。
彼女はバックの中からカメラを取り出して俺の方へ近づいてくる。
パシャッ
「スクープ♪」
と言って。
気づかれた!!と言う言葉が頭の中で埋め尽くされて深く後悔したのは・・・フラッシュの光の中で。