赤髪探偵 ① +~+春の夜桜事件+~+
「『次の満月の夜に始めの晩餐を始める。
この桜のようになりたくなければ[生贄]を用意することだ。』…か。」
彼女は呟くように言う。
俺は呆気にとられた。
・・・この、短時間でこんな文を訳したって言うのか??
聞いている限り、完璧に訳している。
「・・・悪趣味な奴らだな。脅迫文か・・・。」
そう行って彼女は木の幹に片手を置いて一人事のようにいつまでも呟く。
ちょいちょい、貴方・・・少しだけキャラが変わっていませんか??
もっと清楚なイメージだったのに・・・―――
やはり、彼女も気が付いたのか「オホホホ」とわざとらしい声で言う。
「・・・コレって、英語ですか??」
俺は素朴な疑問を聞いた。
彼女はその質問に少しだけ俺を見つめて惜しげもなく答えた。
「この文字はフランス語よ。」