赤髪探偵 ① +~+春の夜桜事件+~+
バッと勢い良く茜さんが俺の背中から手を放したもんだから、俺は少しよろけながら二人の話を聞く。
「なんでも、昨日の夜にあの桜の周りでお花見をしていた奴らが3人。その内の一人はあの大企業会社の[小野寺グループ]の御曹司・・・らしい。」
警部は、横目で茜さんを見ると、何かから逃げるように警部はその場を去った。
・・・どうしたんだろ?
「茜さん。・・・俺って、この場に居なきゃなんないの?」
そう。
俺はどう考えてもこの場所に居ること自体が不自然。
そう言うと、茜さんはコクリと頷き、そっと言った。
「金森君が、ココに居なきゃ不自然でしょ?」
「・・・え?何でですか?」
本能の赴くままに質問に質問を返してしまった・・・
茜さんは、俺の方を向いて一言だけ言った。
「だって、君は私の[助手]になってるんだもん。私が居るのに、助手の君が居ないなんて変だよ。」
あぁ・・・そっか。
そう言えば、俺は茜さんの[助手]という事になってしまったんだ。
そして、俺はチラリと茜さんの顔を見ると、にこやかに笑っていた。