泪-ナミダ-
開いた先には、いつ見慣れた顔。

「和也(カズヤ)ー!また授業をサボったの!?」


第一声で怒鳴られる。日常茶飯事なのでもう気にはしていない。

「いいだろ、別に…サボったってお前と違って俺は頭の出来が違うからな。」

そう嫌みをいうと未悟は怒って俺の頭を叩く。

「出席日数足りなくて進級できなくても知らないからね!」
「最低限は出てるって。」
「そうなの?」

疑わしい目でこちらを見ている…本当のことなんだか…

未悟が来たことで思い出す。俺は朝から何も食べてない。そう、昼休みだからメシの時間。

「未悟、俺のメシは?」

「ちゃんと作ってきてあるよ。和也の好きな卵焼き、ちゃんと入ってるから。」
そういって、少し大きめの弁当箱を俺に差し出す。

これも日常茶飯事。

昼飯の弁当はいつも未悟の手作り弁当。俺の両親は仕事柄、家にいることが少ない。


だが、俺のうちと違うのは両親がいないこと。
俺達が小学4年の時に肺がんで亡くなった。
未悟の父親は仕事の関係で海外へ長期の出張中に事故で亡くなった。


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