永遠なる誓約




明日には生まれ育ったデュナミス王国を離れなければならない。


故国を離れるという寂しさはあっても、この時の私には夢も希望も無くなっていた。





私は何故王女なのだろう。

もしも階級が何も無い、普通の女の子として生まれていたなら。

状況は変わっていた?





答えは分からないけれど…

一つだけ確かなのは、過ぎ去りし日々は決して変えられないという事。

私にはもう、この道しか残されていない。



時が止まってしまえば良いのにと、いつの間にか願っていた。

時間が動きを止めて、誰とも出会えないような世界になれば何も怖くないから。




思えば…今の私はそんな後ろ向きな望みばかりを考えているのかもしれない。

きっとこの先も消極的な考えが大きく変わる事は無いだろう…。

――――そう思っていた。








アレン。


あの場所で再び、貴方に出逢うまでは―――――……







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