亀吉の桜
陽一君の大好きな

春の香り。



全身で感じる。




陽一君。


陽一君。


陽一君!!



心が落ち着かない。




必死に首を伸ばし、


公園を見る。






まだ桜は
咲いていない。



けれど、

わかる。





もうすぐ咲く…。







全て陽一君と

すごした日々で

体に染み付いた


僕だけの桜予報。






目を閉じれば


そこには


あの頃と
変わらぬ桜が
咲く様子が

見えた気がした。
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